再会

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30分ほど車内でのトークショーを続けて、 普段一人では行かないショッピング街に向かった。 駐車場に車を停めて、歩行者天国化している道を冷たい風に逆らうように首をすぼめて突き進む。 ショッピングビルに入ると、店内の暖房にやっと体がほぐれた。 店のディスプレイもクリスマス一色で、 どこに行っても定番のクリスマスソングが流れていた。 私はキャメルのファー付きのAラインのコートを見つけ、 女らしいデザインとラインが気に入って、 予算オーバーにもかかわらず即決した。 大人っぽい黒いブーツも欲しいものの一つだった。 黒のスウェードのロングブーツを見つけた。 ヒールの高さと、デザインと履き心地の3点揃った代物だった。 店内に流れるBGMに乗せて、 キャメルのコートを着て、黒いブーツを履いた私の隣に、 ぼんやりと覚えている彼の身長を並べていた。 それを由奈には気付かれないように 次はあっちの店を見ようと次のショップを指差した。
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