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私はその後、ニットとタイツを買い、
由奈は彼氏へのプレゼントにニット帽と自分へのご褒美にバッグとブーツを買っていた。
二人とも大きな紙袋を肩から提げて、
お茶でもしようかと最上階の喫茶店を目指した。
そこに向かう途中、エスカレーターに流されながら気になるショップを見つけて引き返した。
携帯グッズを扱う店だった。私は普段スマホにアクセサリーは何も付けないタチだが、少し興味がわいたのだ。
私が吸い寄せられるように手に取ったのはクリーム色のマットな質感のスマホケース。
裏面には名前もわからない花が立体的に彫られていた。
「誕生日プレゼントに買ってあげようか?」
由奈が私の手元を覗き込みながら言った。
「うーん、これは自分で買う。プレゼントはワインをシェアってことで」
「あはは。オッケー」
私はスマホケースを手にレジに向かった。
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