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私たちは別にワインに詳しいわけじゃない。
値段が高ければおいしいなんてことも思わない。
ただ、ちょっとした贅沢というのが美味しく感じさせるだけ。
それに私は由奈ほどお酒に強くない。
少しの量で気持ちよく酔える安上がりの幸せ者だ。
ゆっくりとしたペースで二杯目のワインを空けた頃には顔も体も火照っていた。
「そうだ」
私は自分のスマホと買ってきたばかりのスマホケースを取り出した。
「鈴がスマホ着飾るなんて初めてだね。今までストラップの一つもつけたことないのに」
「だよね。でも、これはいい感じでしょ?」
私はケースを装着してみた。
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