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おじいちゃんのお見舞いに行くために机の奥から髪どめを探していると、一枚の写真が見つかった。少し焼けかけたそれが何の写真なのか、寝起きでぼんやりした頭で判断するのには少し時間がかかった。ぼやけた写真、三人の人間。何度も見ているうちに少しずつ思い出してきた。あれは十年前、まだ実家にいたころ。今と同じ時期。栗が鈴なりに実をつけ、柿が夕焼けのように赤く色づいたころだった。
うしろをふりむかなくても、誰が入ってきたかはわかっていた。
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