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やはり賑やかな店を選んだのは正解だった。
私たちは時折聞こえてくる奥の席の顔の見えない若者の話題に便乗して話を盛り上げた。
食事でお腹が膨れ、
じわじわとしみ込んだアルコールのせいもあって、
随分と打ち解けていた。
健吾くんの二杯目のビールを飲み切ったのをきっかけに、
私たちは店を移ることにした。
店の奥ではまだ若者が賑やかに談笑していた。
とうとう顔を見ることはできなかったけど、
私は心の中で彼らにお礼を言った。
店を出て大通りを渡ってすぐに脇に反れて細い坂道を上る。
急な坂道は大通りからの景色からは一変して古い宿場町の街並みに繋がる。
賑やかに、再会を喜び、はしゃいだ気持ちが
街並みの落ち着いた雰囲気に徐々に馴染んでいく。
古い日本家屋をリフォームしたという落ち着いたたたずまいの店は、健吾くんが選んでくれた店で、店内に入ってもその雰囲気を壊さなかった。
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