乾杯 #2

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「……優しいじゃん。今日だって健吾くんを褒めるために会ってるのに……」 ……あ、これは言わない方がよかったかな。 「そうだった」 健吾くんが悪ふざけをやめてグラスを持った。 「もちろん禁煙してるよ」 「そっか……」 「なんだよリン。褒めてくれないのかよ?」 「あ、ううん。すごい。頑張ってる」 「だろ?」 「うん。えらい。えらい」 私が言うと、 健吾くんは目を細めた。 心臓が……ギュウって縮まる。 これから起こりうる予想外の出来事に身構えているみたいだ。 「じゃあさ、ご褒美くれる?」
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