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カウンターの他にはゆったりとくつろげるソファ席が2つあつらえてあった。
大晦日の夜、
店内にはもう一組、中年の男女がいるだけで、
彼らはソファ席で寄り添っていた。
私たちはそちらに目をやりながら迷わずカウンター席に座った。
カウンターの上から吊るされたペンダントライトの頼りない灯りが、私たちの手元を控えめに照らしていた。
ここには先程の店と違ってはしゃぐ若者の姿もなく、
大人の静けさが漂っていた。
静けさが私の鼓動を弾ませ、騒ぎ立てる。
健吾くんはジントニック、
私はソルティードックを頼んで、
チーズとドライフルーツを添えた。
静かに合わせるグラスの音も、この空間では優しく響いた。
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