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「イヴの日。リンが一緒に過ごしてた友達との画像アップしただろ? 酔っぱらってたやつ」
「あ、あれはその友達のせい。ほとんど無理やりだったんだから」
あれは強引な由奈のせい。
私は言い訳をした。
しかし、健吾くんはそのことには触れずにまっすぐ前を向いたままだった。
「あの時、俺、リンのこと変わってないなんて言ったけど、あれ、嘘」
「ウソ?」
「……キレイになっててびっくりした。こうやって話してればリンはリンのままだけど、キレイになったよ。ホントに」
唾を飲み込む音が聞こえてしまったかもしれない。
「健吾くんだって……大人の男性だよ。ミートソース食べたら子供だけど」
半分茶化しながら、
それでも隣でグラスを手にした健吾くんは、
今にもタバコの匂いが香ってきそうなほど、大人の男の人だった。
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