乾杯 #2

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そこからの会話はうまく聞きとれなった。 私を見ていた健吾くんがついには私に背を向ける。 その瞬間、 目の前が真っ暗になった。 電話が終わる瞬間に、 何が私を待ち受けているんだろう。 私のカラダに残るアルコールは全てどこかに消えていた。 寒さに震え、 両腕をさすって自分で自分を抱きしめる。 健吾くんの電話は私が気付かないうちに終わっていた。 ゆっくりと振り向く健吾くんの顔は 見たくもない あの顔。 目を閉じて、 深呼吸しながら強く願う。 お願いだから…… ……笑顔を見せて……。
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