194人が本棚に入れています
本棚に追加
「リン! ずっとこんなとこで待ってたのか? 寒かっただろ? とにかく乗れよ」
『久しぶり』の挨拶もなく、
健吾くんは助手席のドアを開けて、私を慌てて車に促した。
「てか、もっと風の当たらないとこにいろよ。風邪引いたら俺のせいじゃん」
運転席に乗り込んだ健吾くんが車内の暖房を強めた。
「見ろよ。待合室はストーブあるだろ?」
健吾くんは待合室の中を覗き込みながら言った。
「そっか……。あそこで待ってればよかったんだ」
「そっかって、なんだよそれ。相変わらずの天然だな」
「ち、違うよ。私の天然は治ったんだから」
高校生の頃と変わってないなんて、言われたくない。
最初のコメントを投稿しよう!