乾杯 #2

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『純也さんが何て言おうと、関係ないでしょ』 ……言えない。 二人は親友。 私には踏み込むことのできない域。 だけど、 私の気持ちは? 私の気持ちはどうなるの? 今にもこぼれ落ちそうな私の気持ち。 私が好きなのは…… 「……健吾くん、私……」 「リン。送るよ」 健吾くんに遮られた私の言葉は…… 行き場を失った。 駅までもう少しというところの上り坂で、 健吾くんはポケットから手を出し、私たちを照らすヘッドライトに向かって手を上げた。 タクシーが私たちの前で止まり、後部座席のドアを開けた。 「リン、おいで」 「……乗りたくない」 「風邪引くぞ」 「……引いたっていい」 駄々っ子みたいに健吾くんを困らせる。 健吾くんは小さな息を吐き出すと、 私の手を引いて私を無理やり後部座席に座らせた。
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