乾杯 #2

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健吾くんは運転手を振り返り、 「すぐに戻ります」と言った。 乾杯は…… なしに決定した。 健吾くんは階段の前まで私を送り、白い息を吐き出しながら寒さに肩をすぼめて言った。 「今日は遅くなったから。ほうじ茶はまた今度な」 『今度』なんてあるんだろうか。 彼が私に社交辞令を言ったのだとしたら、私は許せないと思った。 私は唇を噛んだまま頷くこともしなかった。 「リン。今日は会えてうれしかった。ありがとう」 その言葉に返さなければと思うのに、 脳も口も上手く連動して動かない。
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