194人が本棚に入れています
本棚に追加
目的のレストランバーは白い光を灯して私たちを待っていた。
駅から店までの道のりは手をつがないことが不自然なほど、私たちの距離は近かった。
狭い店内には若い笑い声が混ざったにぎやかな音楽が流れていた。
二人でコートを脱ぎ、
カウンターの端に席を構えた。
「お腹空いただろ? 俺もメッチャ空いた。結構ガッツリいっていい?」
「いいよ。私もガッツリいくね。ここ、温玉のせミートスパがおいしいんだよ」
「じゃ、俺それ。リンは?」
「私はトマトのチーズリゾット。これね、青じそが入っててちょっと変わってるの。サラダも頼も」
「ふーん。じゃ、一口もらう。俺、あとビール。リンは?」
「……私は……ウーロンハイにしようかな」
アルコールのメニューを見ながらはにかみながら答える。
健吾くんと二人でお酒を飲むことに、
私は何か特別な気持ちの高まりを感じていた。
最初のコメントを投稿しよう!