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1ボッチ「さみしくなんかないですわー!」
ごきげんよう。あたくし落合てりお、と申します。
伝統と格式の由緒正しき公立校……コスモ☆ポリタン学園で生徒会長の任をつとめる、カリスマJCですわ♪
名門の誉れ高い落合家の一人娘として、幼少のみぎりより英才教育を受けておりました。その甲斐あってか、学業、スポーツ共に常にトップの成績をキープし続け、先生がたの信頼も厚く、全校生徒の憧れの的……なんて言ったら自慢みたいですけれど、決してそんなつもりはございませんわ。あたくしだって、道端にありふれてる犬のフンみたいな一般ピーポーと同じ、普通の生活を夢見る一介のスーパーセレブエリートに過ぎませんのよ。
「まあ、ご覧になって。
落合様が廊下をお歩きになっておられるわ」
「お美しい! 後光が眩しすぎて直視できない!」
困ったものです。
ただ歩いているだけだというのに、遠巻きに見つめる生徒が黄色い悲鳴でBGMを奏でるじゃありませんか。
「まあ、今度は階段を、階段をのぼっておられる」
「あんなにも優雅に、階段をおのぼりになるなんて! 人間業じゃあないわ! まさに、天孫降臨のごとし!」
降臨って、それだと降りているのでは……
うぅーん、どうにもやりづらいですわ。皆さん、このあたくしを神のごとく崇め奉るのはわかるのですけど、一挙手一投足にこうもオーバーなリアクションが返ってくるとなると、うかつに変な行動とか出来ませんわね。
この息苦しさ、日常の閉塞感こそ、エリートたる者に課せられた抗えぬ業とでもいうのかしら? うふふふ。
「今度はおひとりで微笑んでおられるわ」
「きっと大宇宙の意志を受信なされたのよ。あの口角の上がり具合からして吉兆。地球の未来は明るいわね!」
なにその占い!?
あんたらの想像の中であたくしどうなってますの? そんなん完全にヤバい人じゃないですか……きゃあ! 階段の途中で、思わず勢いよく振り向いた事が災いし、五段重ねのお弁当箱を勢いよく落としてしまいました!
え、ちょっ……さっきから見てるお二人!
目の前に人のお弁当箱が落ちたのに、なぜ黙って突っ立ってるの? 拾うくらいしてくれてもいいんじゃ……
「どうしましょう。お助けしたいのはやまやまですが」
「私どものような身分のいやしい者が、落合様の私物に汚い指で触れるなど出来ません! 恐れ多くてっ!!」
えぇー……
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