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２ボッチ「ともだちってなんなんですのー！」
皆様は、いわゆるご学友って言葉をご存じ？
下々の方々には縁のないお話ですけど、上流階級には何かと面倒なしがらみが多いのです。社会でそれなりのポストに立つ親同士の面目を保つため、否応なしに巻き込まれてゆく次世代の図……といったところかしらね。
簡単に言えば、用意されたお友達って意味。
はい、ちょうど今、教室の窓際でキャッキャウフフと談笑中の女子数人がいますね。彼女らを例にあげて説明するなら、中心にいるのが、とある企業グループの会長令嬢で、取り巻きの三名が系列会社の社長令嬢ですわ。
さらにその下位ランクにいる友達の親に、それぞれの子会社の社長やら重役やらがいて、なんかもう複雑ね。
こーゆー経緯で固まるような連中は、家と会社の看板しょって学校きてるから嫌々でも仲良くしなきゃダメ。逆に親同士に圧力とかのトラブルがあって、契約関係に波風立つと、いつの間にやら疎遠になったりもします。
そろそろお気づきですね、何を言いたいか。
所詮は損得勘定やコネクションが絡んだうわべだけのお付き合いであって、友情なんかじゃないんですのよ！
いえ……それでも長いこと一緒にいれば芽生えてくるものかもしれませんけど、自分の預かり知らぬところの状況次第で引き裂かれたりするとかさぁ……嫌ですわよそんなん辛い！ 気ぃ遣うのもしんどい！ めんどい！
そんな友達だったら私、いらないもん！
大好きな百合漫画みたくロマンチックな、互いに素の状態での出会いを果たして、ときめきたいんですのよ！
既にそーゆー固い決意をお父様にもちゃんと話して、
『じゃもー知らんがな！ お前の問題や好きにせい！』
そうお許しをたまわったのち、不埒な目的で近付いてくる輩は完全シャットダウンさせていただいてますわ。よ～し、これから自分だけの力で、友達いっぱいリア充ライフ送ったるで～っ！ と意気込んだのが四ヶ月前。
未 だ に 友 達 は い な い……
他の人と違って、一緒に食べる人がいない。
一人で食べてるとこ見られるの、恥ずかしいから……おべんと持ってコッソリ教室ぬけ出して、女子トイレに向かう。一番右奥の個室が、屋上に代わる私の城。落ち着けて、邪魔されず、孤独を包み込んでくれる聖域だ。
「えへへ……伊勢エビ、大きすぎて食べにくいや……」
フタ降ろした便座に座り、ブツブツ言って飯を貪る。
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