5ボッチ「なぞのてんこうせいさんですわー!」

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5ボッチ「なぞのてんこうせいさんですわー!」

「魔法少女になりたいですわ~っ!」  保健室ベッドへのダイブも、何回目かしら?  前回ひどい目にあって、越後さんに対するトラウマを植え付けられてしまったあたくし! 繊細ハートはもうズタボロで、大好きな魔法少女アニメの録画未消化分を摂取しても、傷が深すぎるのでぜんぜん癒されません! 「魔法少女なら友達とか余裕なのにな~っ!」  ありもしない妄想に走りながら冷蔵庫を開け、シップなんかと一緒に常備されている栄養ドリンクをパクってひっかけ、酔っぱらうマネでもしないとやってられますかってんら! キンキンに冷えてやがりますわぁ~っ!  そうやって無闇にテンションを高めた後は、 『てりお、気をしっかり持って』  ぬいぐるみの妖精・キラザエモン(CVあたくし)に登場してもらい、頭ナデナデして励ましてもらいます。 『それに今日はチャンスよ。  せっかくのカモがネギしょって……いやぁ間違えた、記念すべきおともだち第一号候補が来てくれたのだし』  チャンス……すなわち、転校生到来!  しかも庶民の出身。校内の事象なんか何も知らないとくれば簡単に騙せ……じゃない、新鮮な気持ちで接してくれそうですわ。そして、新天地での友達初号機という揺るがぬ立ち位置さえ確保してしまえばこっちのもん。  実は怖じ気づいて、HR中に仮病まで演じて保健室に逃げ込んだんだけど、間もなく一時間目も終わる頃よ。ちゃっかりサボって、気力も体力も充填できた事だし、抜け駆け女どもの質問攻めに合う前に、行かなくては! 「あなたなら大丈夫。やればできる、頑張ってりお!」  てなわけで教室に舞い戻りました。  件の獲物は窓際の席……さっそく絡まれてるみたい! 「オーサカ人なら関西弁喋ろうよ~」 「……神戸です」 「なにぃ? 聞こえないでんがな~」 「好物はコナモンに決まってるよね?  タコヤキとかオコノミヤキ、家で作んの?」 「……どっちも嫌いです」 「え~ウソじゃん。  キャラ武器にしてかなきゃ、M1生き残れないよ~」  あれが転校生・浮島(うきしま)みんこ(・・・)……ちゃん。  ちっちゃい。小学生にしか見えませんわね。  椅子に座ってうつむいて、たださえ狭い肩幅をさらに縮こまらせていらっしゃる。濃緑色のミディアムヘアが目にも鮮やかで、フチあり眼鏡越しの伏せがちな瞼からチラチラと覗く、ブドウ色の大きな瞳もお可愛いこと。
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