花の国

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ぺっと花に吐き出される。どうやら、目的地に着いたようだ。先程まで真っ暗だったからか、突然差し込む光に目を細めた。 周りを見渡すと、蔦、つた、ツタ。 棘の生えた、緑色の蔦に囲まれている。 「……ここはどこだ? 」 『牢屋です。』 「誰だ!? 」 独り言のつもりだったはずの問いかけに、思いがけない返答が来た。 あたりを見渡すが、誰もいない。一体どこから聞こえたのか、さっぱり……。 『私は、そこにはいません。あなたの脳に直接話しかけています。』 「え、」 言われてみれば、さっきから女の子のだと思われるか細い声は、頭の中でガンガンと響いていた。 「お前は、ここがどこだか分かるのか? 」 『はい。今あなたが置かれている状況も。』 「教えてくれないか? 」 『分かりました。』
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