1人が本棚に入れています
本棚に追加
ぺっと花に吐き出される。どうやら、目的地に着いたようだ。先程まで真っ暗だったからか、突然差し込む光に目を細めた。
周りを見渡すと、蔦、つた、ツタ。
棘の生えた、緑色の蔦に囲まれている。
「……ここはどこだ? 」
『牢屋です。』
「誰だ!? 」
独り言のつもりだったはずの問いかけに、思いがけない返答が来た。
あたりを見渡すが、誰もいない。一体どこから聞こえたのか、さっぱり……。
『私は、そこにはいません。あなたの脳に直接話しかけています。』
「え、」
言われてみれば、さっきから女の子のだと思われるか細い声は、頭の中でガンガンと響いていた。
「お前は、ここがどこだか分かるのか? 」
『はい。今あなたが置かれている状況も。』
「教えてくれないか? 」
『分かりました。』
最初のコメントを投稿しよう!