花の国

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ここは花の国。この世界は、人間達が住む世界の下にある世界で、ここの花たちは、人間界に花を咲かせるために旅立って行く。そのためにある。 最初のうちはよかった。 ほとんどの人間達は、花を大切にしてくれた。花は、人間と共に生きてきた。しかし、段々と人間達は変わってきたのだ。 花なんてあるのが当たり前で、見向きもしなくなった。 綺麗な花ばかり集めて、金儲けの道具にするようになった。 どの花だって、必死に咲いているのに、「雑草」だと、「綺麗では無い」と、決めつけられた花は処分されていく。まだ、生きることができるというのに。 そんな有様を見て、花の国の王である、人喰い花は激怒した。 2ヶ月に1度、人間を1人攫っては、処刑と称して食べてしまう。それがもう、5年ほど続いているらしい。どうやら、人喰い花の力で攫われた人間は、人間界に元々いなかった存在にされてしまうらしい。 実際、人がこんなにいなくなっているというのに、何の話題にもならない。 私は、その処刑の犠牲になった人間だ。何故か、声だけ生き残った。だから、私の次に来た誰かを助けるために、この二ヶ月間生きてきた。 『だから、人喰い花を倒して。』
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