1人が本棚に入れています
本棚に追加
「人喰い花……。俺は、喰われるのか。」
『はい。このまま行けば。』
そんな事が現実に起こって良いのか、そんなことが浮かぶばかりで、どうやって逃げようかなんて事は全く思いつかない。
今俺が居る牢屋は、棘の付いた蔦で出来たものだ。さっきからずっと、動いている。まるで、人間が呼吸している様だ。
牢全体のみならず、細かな網目一つひとつの大きさが変わっている。
「これ、出れるのか? 」
『いえ、この蔦は王直属の兵隊の1人が作ったものです。逃げようとすれば、感知されて兵が駆けつけます。その兵がすごく速いんですよ!! 』
「そんな状況で、どうやって逃げろと? 」
『だからそれを今から考えるんです! 』
「声」は急に声を荒らげる。
『期限は明日の正午までです!
ほら、ボケーッとしてないで頭を動かしてください!! 』
最初のコメントを投稿しよう!