さよならの理由

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さよならの理由

 太平洋のどこかに。 太古の昔からそこに小さな常夏の島があった。 島の真ん中には、とても背が高くて細い立派な木と、それよりも少しだけ背が低くて少しだけ幹が太い木が、二本並んで立っている。二本共とても背が高い。島のどこにいてもその木が頂きに青々とした葉を広げる様は見て取れた。その姿はとても神々しく、まるで島全体を見渡し守る神のようだ。  この島にはたくさんの動物たちがいる。その中でも、木の足元に巣を作る、白い毛並みが美しい動物たちは、一番この木の恩恵に預かっていた。 彼らは、豊かな森で木の実を食べ、じゃれ合いながら草原を走り、小川のほとりで休息し、砂浜で一日をゆっくり過ごすと、日が傾く頃にはこの木の下で休んだ。  森中に巣を作る鳥たちは色とりどりで、その小さな体から出るとは思えないほどの美しい音でさえずった。 中でも、二本の木に巣を作る鳥は、とてもカラフルな長い尾をなびかせて、まるで木の枝に咲いた鳥の形をした花のように美しい。  草原に咲く花は時々、輝く花粉を風に乗せ、そんな時は風が目に見えるようにキラキラと太陽の光を反射する。     
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