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火が消し止められたことをうけて屋敷に戻った真と咲、瞬は、呆然とその焼け跡を見つめた。焼け跡の見分に入っていた役人たちが、次々と遺体をみつけて運びだす。 「火元と思われる場所に、金のつまったつぼをかかえたまま炭になった仏さんがいるぞ。主の紫翠どのではないか?」 役人のその言葉に、咲がはじかれたようにかけよる。そして、その遺体の歯の状態から、それが己の父親だと確信した咲は、その場にくずおれ、嗚咽した。 呆然とする真をみやってから、瞬が咲にかけよって言った。 「ごめん…ぼくのせいかもしれない…」 「あなたのせいじゃないわ…。父上は、金に殺されたのよ。あやまらなくてはいけないのは、私の方。父上があなたを利用して大金をかせいでいたことを知っていて何もしなかったんだもの…私が、殺したのよ。」 「そんな、そんなことは…」 そう言った瞬のほほを一筋涙がつたう。 「これからどうすりゃいいんだ…」 真の痛切な言葉があたりに響く。 「間に合わなかったか…」 その声に三人が振りかえると、そこには、瞬の父親をつれた母親の姿があった。沈痛な面持ちで、父親が口を開く。 「瞬、きなさい。家に帰るぞ」 「いえ、父上、今は二人のそばについていてあげなくちゃ…」 「これ以上犠牲をふやしたいのか、お前は」 父親がそういってすごむようにしたので、瞬は仕方なく、放心する真と咲を残し、両親と共に自宅に帰った。 自宅につくと、父親は、居間の炉端に座り、瞬に向かいに座るよううながした。そして、腕をくんでしばらく黙した後、おもむろに語りだした。 「瞬、お前に、言わなければならないことがある」 そう言って一呼吸おいた父親は、顔をふせるようにしながら、吐息にのせるようにして、言った。 「お前はな、人間ではない。私もな」 「え?いきなり何を申されるのですか、父上?」 瞬が困惑した面持ちで問う。それをちらとみやってから父親は言った。
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