0人が本棚に入れています
本棚に追加
それが私の姉嫌いに拍車を掛けた。彼女から向けられる笑顔も、優しい言葉も、気遣いも。私にとっては害悪でしかなかった。
嬉しい事があった日も悲しい事があった日も、母や父に話す事はあっても姉には一切話さなかった。両親はそんな私を何度も咎めた。だが、その度に姉は私を庇った。この子は悪くないのだと。悪いのは私だと。
私は姉に庇われるのが大嫌いだった。何も悪くない姉に八つ当たりする理不尽な妹と、そんな妹さえも許してしまう優しい姉。その差をまざまざと見せつけられているようで、惨めで恥ずかしかったからだ。
幼かった私は自分の事で精一杯で、姉の気持ちなどこれっぽっちも考えられなくて。
姉が高校に受かった時も、素直に応援できなくて。
顔を合わせれば話しかけられるからと姉の姿を見ただけで部屋に引き篭って。同じ家にいるのに疎遠になって。
いつしか、お互い干渉し合わないのが暗黙のルールになって。
以降、私と姉の関係が修復される事はなかった。
最初のコメントを投稿しよう!