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霊園でSF著者の話をすると殺人現場
私がこの現場の第一発見者である。
「第一発見者であることのデメリットを挙げるなら警察に連絡し事情聴取に、挙げ句の果てに容疑者では疑われる」
「つまりここでー、取る選択肢はー?」
「『無視』かな」
「でも私は無視しないでね?」
おかしいと言えばおかしい現状だった。
現場は霊園のど真ん中。そこに学生と思われる死体が転がっていた。人によっては嘔吐、失神しても仕方ない姿であった。そこにはある筈の足が両方ともなかった。哀れだと思いたいが───
「───幽霊ってさ、足が無いものだと思ってたけど有るんだねぇ~」
「無くなっても有ったから結果オーライですか」
「そういうことよ」
「あんた、やべー思考だよ」
白色の着物は着ていて幽霊そのものと言いたいところだが、逆に似合い過ぎて新年早々この人とすれ違っても幽霊とは解らない美少女。
「あ、そうだ。自己紹介をしましょう」
「なんで、幽霊と自己紹介なんですか」
「美しい女性と知り合えて嬉しいでしょう?」と俺の額にデコぴんを。
「痛ぃ!」あれ? なんかすげー笑顔。これは一体どういうラブコメ?
「私は玲瓏の玲に奈良県の奈で玲奈よ」
「奈に対する思い入れは奈良県なんですか」
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