霊園でSF著者の話をすると殺人現場

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それより、こんな奇天烈大百科に載りそうな出来事からさっさと逃亡したいのだが。 「どっちかって言うとなにこれ珍百景だと思うなー。はあぁ~」 「溜息なんか吐くなんて珍しいな」 「私を能天気女だと思ってるなら叩くわよ」 思ってる───バチぃん! 痛い! 「さっき言わなかったっけ? 貴方の残留思念の感応が出来るって」 「言ってない、言って欲しかった! で、やっぱり未練とかあったりするのか」 「いや、そうじゃないけど」 「なら何だよ。出来ることならしてやらんこともない。まあ、基本的にやらないが。そういう人の知らないことは気になるのが人間ってもんだ。何もしないってのも人間ってもんだが」 「最低ね。未練というより、死に対して諦めもついたって感じかしら」 「その歳で死んだのに?」 「だって─────」 「二十二世紀になってもドラえもん出来て無いじゃない!」 「ん、もう成仏していいぞ」 「話を聞きなさい。あれだけ技術改新が起きるって言われてたのに変わったのは消費税と高齢者数ってどういうこと!?」 「もう、諦めな。というかネコ型ロボットの方に諦めをつけろよ」 「嫌よ。私はドラえもんを見るまで成仏しない」 「未練たらたらで大好きか!」 「未練たらたらで大好きよ」     
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