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はっ! これまたなんか変なラブコ───。勘違いにも甚だしいですな。
「どうでもいいけれど、奈初之さん」
「なんだ、あんたとの馬鹿話もこの辺で区切りを───」
頭に赤いサイレンを着けたシロクマとパンダが走ってきた。あ、別にアミューズメントパークとかではない。警察車両と救急車だ。
「通報されたのか?」
「ここは、霊園よ。霊園ってのは公園を模して建造された墓地なの。見えるのが普通でしょ」
「貴方がいなかったら形振り構わず逃亡したんですけどね」
俺は近くの茂みに隠れた。
「これが、例の遺体か」
「通報があったのは十五分前です。暗くて目視出来なかったそうですが直立で男が独り言を言っていたそうです」
「たくっ、どんな精神してんだよ。人間の足を持っていくなんてさ。とんでもない足フェチだよ」
やっぱり、犯人に......。嘘だろ、何で足フェチがバレた?
「そう落ち込むもんじゃないわ。死ぬよりはいいでしょう」
「死者が言うのはどうかと思うぞ」
凍える程の寒い風が肌を撫でて消えていった。
「さあ、この現場に落ちてる証拠を隈無く探せ! 見逃した奴は救急隊員送りだ!」と髭の濃い警察官。
いや、それは別に問題ないだろう。と思うのは俺だけだろうか。
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