初めてのお見合い

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初めてのお見合い

「後は若い者二人でやってもらいましょうかね」 「そうですね。私達は外に出てましょうか」  そう言って、お互いの両親は何故かリュックを背負って退室した。  今年で28になる僕は、人生で初めてのお見合いをしている。  相手の方は、篠山 桜子さんという同い年の美人さんだ。  まだ会ったばかりで、内面的な事は分からないが、僕は一目見た時から彼女と結婚したいと思ってしまった。  何とか気に入られて、結婚までこぎつけたい。  そう思っていた矢先に、突然彼女の方から質問をしてきた。 「永井さん……いや、輝男(てるお)さんとお呼びした方がよろしいかしら? 輝男(てるお)さんは好きな技は何ですか?」  技!?  いきなりの質問にしては内容がざっくりしすぎる…… 「え……え~と、またぎフェイントです」  僕はあわてて訳の分からない事を答えてしまった。 「ああ~!あの二十歳前後の大体の人達がやる俊敏なやつですね!」  桜子さんの反応は、分かっているのか分かっていないのか、良く分からない返答だった。 「私が好きな技は、ジャパニーズ・オーシャン・サイクロン・スープレックス・ホールドです」 「そ……そうなんですね」  女子プロ好きか!?     
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