プロローグ~転生~

6/9
前へ
/146ページ
次へ
 そのシステムとは。  まるでじゃんけんのような3竦みである。  魔族は人間に強く、獣人に弱い。獣人は魔族に強く、人間に弱いとそれぞれの苦手な相手と対等に渡り合えるようにするシステムだ。  しかし、それはあくまでステータスに加わる力であるので、その先は才能と努力次第というわけだが。  仮に、一般人が獣人の王である獣王に戦いを挑もうが人間が蹂躙されて終わりであろう。  力が同等であた場合に人間が少し優位にたてるくらいのシステムである為過信はできない。  では、何故そのシステムが生まれたのか。  それはそれぞれの種族の能力に差があったからだ。  魔族は魔法に優れ、獣人は身体能力に優れ、人間はどちらも平均的に優れてはいる。  特徴のない人間が一見この中では不利に見えるが他の種族に比べ知恵が高い。  独自の魔法で魔族の魔法を防ぐこともできれば、身体強化で獣人と同等まで身体能力をあげることもできる。実質、何も特徴がなさそうな人間が今の大陸では一番安定した生活、軍事力を持っているのは人間と言えるのかもしれない。  それが、システムである。  「…なんか、ゲームみたいですね…」  ステータスだとか能力だとかその人を図るパロメーターがゲームとしか思えなかった。  ゲーマーではないにしろ、女ながら色んなゲームを嗜んできた。  「そうよ!これは私が別の世界で盗んできたシステムなのよ!」  堂々と盗んだと言ったよ。著作権とかあってもこの人を裁くことはできないだろうけど。  「それって必要なの?」  「もちろんよ。それじゃなきゃつまらないじゃない? あくまで私はこの世界を任されているだけで、歴史を創る訳ではないの。この世界の歴史はこの世界の住人に任せているわけ」  「それじゃ、私と他の二人がどういう人かわからないけど、この世界に転生する意味がなさそうですけど」  「それはね…貴方たち出てらっしゃい!」  その言葉に応じるように3人の女神が光から生まれるように目の前に現れる。
/146ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加