動乱

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しまった元徳先生に聞けばよかったなと言うと、先生に聞いて当たってみますといったのです、一通り巡回して奉行所に戻り、与力の郷田に渡すと、禁制品でないならそなたが処分す、 れば良いと、 中をめくって返したので受取り役宅に戻ったのです、風呂敷包みをもっているので、何ですかと聞くので、もらい物だと渡すと、広げて西洋の本ですね、これを読みなさるのでと聞く、 ので、読めるはずがないじあろうというと、元徳先生に翻訳してもらえば良いではないですかと言うので、そうじあな、元徳先生にやろうと言ったのです、兄上も少しは南蛮の事を、 学ばれた方が良いですよと言うので、 わしは勉学は苦手じあと言うと、メリケンの船が来たと言う事は、メリケン人とも渡り合わなければ、ならなくなるでしょうと言うので、そうじあな、メリケン語でも覚えるかと言う、 と、そうなさいませと笑ったのです、翌日元徳の元に行き、わしが処分する事になったので、先生に進呈しますと言うと、こんな貴重な物を書物問屋に持ち込めば一冊20両にはなる、 代物ですよと言うので、 先生に持ってもらえば、役に立つでしょう、それがしにもメリケン語とやらを、教えてもらえませんかと聞くと、そうですな、ペリーが来たと言う事は、これからはオランダ語ではなく、     
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