動乱

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が迷惑するであろうと言うと、何だお前は口を出すなと言うので、十手をみせてここは町方の管轄だこんな処で切りあいをして貰ってはまずいのだと言うと、不浄役人めと言うと、刀を、 おさめて立ち去ったのです、 新太郎の旦那と声をかけるので見ると大工の留吉です、喧嘩の原因はなんだと聞くと、傍の居酒屋の娘おうめが新太郎の旦那、まあ、中へと言うので、中に入ると酒を出すのでまだ見回、 りの途中だと言うと、いいではありませんか、仲裁のお礼ですよと言うので、そうかと言うと酌をしたので飲み干して、で喧嘩の理由はと聞くと、留吉がどうも安部様の家中と山内様の、 家中の侍のようで、 別々に小上がりでのんでいたんですが、山内様の侍が異人等どうてことない、くれば打ち払うまでだと言って、今の老中はなっていない、黒船を見て腰が抜けているわ、嘆かわしい事だ、 と言ましたら、どうも隣で飲んでいたのが、老中の安部様のご家中だったようで、わが殿を侮辱する等許せんと喧嘩になったと言うわけですと言うと、おうめがこのところ浪人達の間で、 も幕府の悪口を言う人が多くて、 ひや、ひやしているのですよ、いったいどうなるのですかね、後半年もすれば又黒船がやってくるらしいですが、打ち払えるんですかと聞くので、戦に来るわけではない、話し合いに来、     
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