動乱

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行き確認しましたら、誰も乗っておらず木の箱が置いてあったのだそうです、それがこの箱ですと言うので見ると、たて一尺横一尺の杉の木の箱です、蓋を取ったので中を見ると本が、 3冊入っており、 手に取ってみると、西洋の本らしく、何語なのかはわかりません、奉行所に届けようと思いましたが、わたしが抜荷をやっている、と疑われてはいけない、と思い困っているのですと、 言うので、絵が入っているのでみると、何かの機械の図面らしいのです、キリスト教関連は禁止だが西洋の本総てが禁止されているのではない、医師の元徳先生に調べてもらおうと、 言って預かったのです、 その本をもって神田で医師をやっている元徳の診療所に行くと、あと1人を治療するので待ってくだされと言うので、座ってまっていると、治療が終り怪我人がかえると、何か御用か、 なと言うのだ、本を風呂敷包みからだして見せると、これはエゲレス語ですな、一冊は辞書と言う英語をオランダへ、又オランダ後をエゲレス語に変える手引き書ですな、もう一冊、 はエゲレスの蒸気船と船の解説書に図面ですな、 この機械が蒸気釜の図面です、もう一冊は百貨辞典と言ってエゲレスの事がすべてまとめたものです、禁制品ではありませんな、これと同じ物をたしか、蘭学者の佐久間像山先生が持、     
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