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☆おまけ☆名前を呼んで
「さっきのことだけど……アイツとの間にあったこと、ちゃんと話そうと思ってた」
「あ…ごめんなさい。実はアイちゃんが知ってて…少しだけ聞いたんです…」
そっか…同じ大学だから知ってても不思議じゃないか…。
「でも、もし話すの嫌じゃなかったら……ちゃんと青木さんの口から聞きたいです」
……不思議と抵抗なく話が出来た。
それもひなきのおかげだ。
「……で、なんで泣く…?」
話の途中から、ぽろぽろ大粒の涙を零していた。
「だって……酷い……それに、青木さんが悪く言われるの、悔しいです……」
流れる涙を指で拭う。
「……名前」
「え……あ、ゆうじさん…?」
「違う。さっき呼んでただろ?」
たちまちひなきの顔が赤く染まる。
「あっあの時はムカついて、つい……」
「呼ばないなら俺も澤さんて呼ぼう」
「……ズルい」
恨みがましく上目遣いで睨まれると、益々いじめたくなってしまう。
「それと敬語も禁止。彼女なんだから」
「えっ!?えぇ??…………じゃあ、せめて……ゆうくん、とかは……?」
予想外の提案に思わず目が丸くなる。
……でも、なんか……逆に照れる……。
……結局、攻撃のつもりが俺まで顔を真っ赤にしてしまったのだった……。
やっぱり……ひなきには敵いそうもない。
☆おわり☆
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