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ひなきのことが大好きだ。
迷いのない気持ちを込めて抱き締めた。
胸の奥が暖かくなるような幸福。
ぎゅっと抱き締め返してくれて、思わず堪らない気持ちになる。
「……今日は、このまま一緒にいられる?」
はっとした後、困った表情になる。
そりゃそうか…相手は実家なんだし。
きっと後先考えずに来てくれたんだろう。
でも……帰したくないな。
少しだけ……そう思いながら、顎を掬って唇を重ねる。
次第に深くなるキスにひなきも一生懸命応えてくれる。
合間に漏れる吐息と…唇を離した後の熱くなった表情が余計に煽られる。
こんなに堪え性がなかったか…俺は…。
「12時までには帰すから…いい…?」
頷いたのを確認すると、抱き抱えてベッドに移動した。
何度も何度も、確かめるように唇を貪った。
濡れた音が静かな部屋に響く。
このままだとエスカレートして止められなくなりそうだ。
「これ以上遅くなったらダメだから、ここまで」
自分に言い聞かすように切り出した。
葛藤するように百面相しているひなき。
「ひなき、好きだ」
心からの、真っ直ぐな気持ちを伝えた。
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