11人が本棚に入れています
本棚に追加
/47ページ
体が勝手に動いていた。
身をかがめて、目を丸くするひなきにワザと音を立ててキス。
「…そういうことだから、サヨナラ」
元彼女に向かって言い捨て、固まっているひなきの手を取ってその場を後にした。
……元彼女は顔を真っ赤にして言葉を失っていた。
それもそうだろう。
彼女と付き合っている時は人前で手も繋がなかったのだから…。
自分でも驚いた。
…いや、出会ってからずっと驚かされることばかりだ。
この一人の女の子の存在が、自分の中でどんどん大きくなっていく。
……これからも沢山、色々な気持ちに気付かせてくれるんだろう。
そんな予感がした。
「…ひなき、愛してる」
隣を歩く彼女に小さく囁く。
また、その頬を染めた可愛い笑顔を見るために。
・:*+.end.:+
最初のコメントを投稿しよう!