第十一章

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「わー…ちっさ…」 青木君がとろけそうな顔をしてる。 「美人ねぇ。」 店長と山中さんが、顔を見合わせる。 「朝子さんに似たわね。」 なぜか…野田さんの元奥さん、朋香さんもいる。 そして… 「絶対嫁にやらない。」 「えー!!早くも親ばか!?」 青木君に背中を叩かれる…園。 野田さんと会った後、園が現れた。 あたしを諦めきれずに、血眼になってあたしを探していたらしい園は、野田さんからあたしの所在を聞いたらしい。 他人の、しかも…一応恋敵だった人の子供を。 園は『朝子の子供なら愛せる』と、あたしにプロポーズした。 何度も断るあたしに。 無理なんかじゃない。 無茶なんかじゃない。 一生、大切にする。 それで俺も幸せになれる。 と… 仕事も何もかも捨てて、この街に来た園。 「ゆっくりでいいよ。俺を一から知って、少しずつ好きになってくれれば。」 元々…恋をした相手。 だけど、もう一度そんな気持ちになれるかどうか…不安もあった。 それでも、園は言ってくれた。 「一番は子供。俺は二番目でいい。」 …救われた。
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