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いつもいつも。どんな学校でも、僕のあだ名は“転校生”だった。
ようやく僕自身の名前を覚えてもらって、転校生以外の名前で呼ばれるようになり始めたとたん、僕は次の地方へ旅立った。
だからいつも。いつもいつもいつも。
結局僕のあだ名は転校生のまま。
それが当たり前で、そのことに疑問なんか持ったことなかった。
それなのに。
光基も、ほかのみんなも。僕が転校してきた最初の日から、僕を晋と呼び、一緒にサッカーをしようと誘ってくれた。
だからだろうか。この街に来て初めて、僕は本当のサッカーをしたような気がしたんだ。
パスを受ける。パスを出す。
ただ、それだけのことがこんなに嬉しかったのは初めてだった。
そして、その日のうちに彼らは僕を、助っ人ではなく正式なサッカー部員として迎え入れてくれた。
僕が転校を繰り返している事情を説明しても無駄。
「一ヶ月だろうが半年だろうが関係ないよ。晋はもうオレ達サッカー部の一員なんだ。お客様でも助っ人でもない」
光基は笑ってそう言ってくれた。
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