第一話 -雪割草-

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「……は?」 「バカかお前は。そんな言いかたしたって晋にわかるわけないだろ」  ゴンっと派手な音をたてて和志の頭を小突き、晴紀が申し訳なさそうに僕のほうに顔を向けた。 「実は、次の全国大会、絶対行こうって決めてんだ。オレ達」 「全国大会って、サッカーの?」 「そう。夏に本州で行われる全国少年サッカー大会。北海道代表の切符はオレ達で勝ち取ろうって」 「……それは……さすがに」  いくらなんでも無謀じゃないだろうか。 「だってさぁ、オレ達、一度も北海道から出たことない奴、多いんだ。そんなことがないと一生本州に行けなくなっちまう」 「……だからって」  水を差す気はないけど、この学校のサッカー部って、この間ようやく十一人そろったばかりだとか言ってなかったっけ。 「それでも、夢を見るのは自由だろ」 「少年よ大志を抱けってな」 「それ絶対札幌の奴らが率先して言ってるよ。その言葉はオレ達の地域のものだって」 「関係ないない」 「全国に行くのはオレ達だぁー!」 「おおー!」
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