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理事長(らしき人)を見て真っ先に思ったこと。
……何これ、人?
え、人間?
理事長室に入ってまず一礼して、目に入った床が大理石である事に気が付いた。
ま、マジかよ……
部屋に入るときチラッと見た室内が輝いて見えたのも幻覚ではないかもしれない。
頭を上げると想像以上に大きなシャンデリアがあり、その光を反射する花瓶や綺麗に磨かれた調度品もやたらと高価そうな物ばかりだ。
呆気にとられて口を開け、直ぐにハッとする。
やばっ理事長に挨拶っ!
そう思って視線を前に向けた。
が、そこに理事長(らしき人)の姿はなかった。
あるのはまたも高そうなデスクと黒い革の椅子、そしてデスクに飾られた色とりどりの花だけだった。
え、居ないの?
いや、さっき返事あったし…
「あ、あの、先輩…?理事長先生いらっしゃらな「…っく」……え?」
河内先輩に尋ねようとすると、何処かから笑い声が聞こえた。
しかも、振り返った先に先輩は居なかった。
声のした方にはついたてがあり、奥を覗いてみるとソファの上でブランケットにくるまり、寝そべる何かがあった。
「あ、あのー……」
…なんて声掛けたら良いんだ?
と、困惑しながら近づくと、ブランケットから手が伸びてきた。
「えっ、……っわ!!!」
伸びてきた手は僕の手首を掴み、あっという間にソファに寝そべる形になってしまった。
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