その人は突然に。

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「さーて,そろそろ帰ろ。ウチでユースケ君三昧しよーっと。今日は部活はサボりだ♪」 レンタルショップでまとめ借りしていた「ユースケ君」が主役のアニメのDVDを,部屋で観賞しまくろう,と唯は思っていた。ヲタ友も呼んで。 唯の入っている部活は『マンガ・アニメ研究部』だ。 基本的に自由参加で,サボりも自由。部室に行けば,マンガが読み放題,アニメのDVDも観賞し放題。 「名門お嬢様学校」で通っている茗桜女子の中で,この部は「腐女子育成クラブ」と化していた。 つまり,十数人いる部員は全員,唯の「類友」である。 「ユースケ君,待っててねぇ☆唯は今から,あなたに会いに参りまぁーす♪」 ルンルン♪と鼻唄を歌いながら校門をくぐり,すっかり葉桜になってしまった桜並木の道を歩いていると,唯は向こうから歩いて来る人とぶつかってしまった。 ドン…っ! 「イタタタ…。もう!どこ見て歩いてんだよぉ」 「ああ,ゴメンな。大丈夫?」 したたかぶつけたおでこをさすりながら,唯が顔を上げると,「ゴメン」と謝った背の高い青年と目が合う。 シャープな顔の輪郭,スーッと通った鼻筋,切れ長の目,サラサラの茶色い髪。 あれ?この顔は…。マジか! 「あーーーっ!!ユースケ君!?」 「…えっ?」 唯が思わず指差した相手は,唯の二次元の王子さま・「ユースケ君」と瓜二つだった。 リアルユースケ君,キターーーーっ!!
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