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振り返ると赤いTシャツを着た常連のオニイサンが、チャリにまたがって手を上げている。 半袖を肩でまくり上げてるから腕の筋肉もろ見え。羨ましい。ついコソコソと腕を前の方に寄せちまう。 やっぱ力仕事してるから、このオニイサンの腕は逞しいよな。 この人の仕事は配送業。早朝からあちこち走り回って荷物を配送している。何で知ってるのかというと、たまにユニフォームのままで買い物に来るからだ。今履いてるズボンもそうじゃないかな? 「お疲れ様です」 そして大体一日のうちに二回は来店。といっても一回は日中に来るから俺と顔を合わせることは、滅多にない。日中は配送ついでの昼休憩とか、コーヒーブレイクで立ち寄るみたいだ。 「あー今日もよー疲れましたぜ。タバコ買ってくるわ」 チャリを店の脇に止めて店に入っていくオニイサンを見送ってるとつい目が彼のTシャツの下のズボンに。 決してそっちのケはない。 ケツの下、太もものところ、擦り切れてるなあ。 彼の仕事は荷物の配送。日がな一日、運転と荷物の上げ下ろしをしているから、摩擦でそのあたりが擦り切れるらしい。今までだと彼女さんがこまめに繕ってくれてた。なんでそんなに詳しいか。たまたま買い物中の二人の話が聞こえたんだよ。 決してデバガメさんではない。     
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