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なんでそんなによく聞いてるんだって?仕方ないじゃないか、耳に入ってくるんだよ。二人が来るのはいつも9時過ぎ。殆どの家では夕飯終わって寛いでる時間帯。うちのコンビニはその時間帯は30分程静かになるんだ。二人が来るのはいつもそんな時間だ。 彼女さんも忙しいのか、いつも黒のスーツを来てて仕事帰りにそのまま晩御飯?か夜食かを買いに来ましたって感じでさ。中々スーパーに寄る時間がないんだろうな。聞いたことは無いけど、オニイサンが自転車でここに来るくらいだからきっと近所の人で買い物はここが一番近いんだろうな。 ただここに来るのはもう日課になってるみたいで仕事休みでも来てると思う。その時は、オニイサンが煙草、彼女さんがアイスカフェラテ。たまにチョコレートも。 だから二人を見ない日、というのが殆どなかったんだけど。 「ここで一服していくかな。」 「へっ?」 うわ、びっくりした。突然声が降ってきたもんだから、心臓が飛び跳ねた。 「なんだよ、そこまで驚くか?」 オニイサンは苦笑いしながら煙草のセロファンをぺリペリ剥く。あ、そのゴミそのままください。 「どうぞ。灰皿大丈夫です。」 「サンキュ」 オニイサンはコンビニ袋を右手首に下げて煙草を一本抜きだすと軽く口にくわえ、ポケットに突っ込んであったらしいライターで火をつけた。 コンビニから漏れる灯りを背に受けて煙草をふかすオニイサンの顔はなんとなく寂しげに見える。 「元気にやってるみたいだな」     
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