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序章
------卒業まで3ヶ月を切った。
周りの受験生は、今日センター試験2日目を迎えている。
今朝、香緒里を見送った後だ。
俺は少し前に用意されていたであろう朝食に手をつける。味噌汁は少し冷めていた。
父と母はすでに仕事場に向かった後だった。
そういえば宅配が来るとか言ってたっけ。
妹の美憂はまだ寝ている。
今日はやけに冷えるな、、
立ち上がって、ベランダの方を見るとカーテンがヒラヒラ揺れていた。
「締め忘れるなよ...」
ここには居ない母さんに文句を言った。
窓を閉めると、
足元に白い紙が落ちて居た。
お金を包むための紙のように綺麗に折りたたまれていた。
拾い上げると、ザラザラした少しずつ厚めの和紙のような紙だ。
外側の面に何かうっすらと、文字が見える。
「ゆいごん...?」
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