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上手くいくところまでいけたら二人で遊んでいるし、もっと上手くいけばそれが恋人だろうと友達だろうと、何度だって会える。 あの時の自分と彼女は、外から見たら二人で遊んでいる恋人だったし、友達だった。 今はこうやって消えて、性差とかを越えられないただの振り出しに戻っている。 彼女がFacebookで書いてきたことは嘘ではない。仮に自分のページ内で書けるとしても、わざわざメッセージで自分に付き合って嘘を書き連ねる事はない。 それに内容を一つ一つ思い出しても、嘘だと捉えた方がかなり無理が出る。 彼女は不誠実だとも思う。 仮にも自分から相談に乗ったとは言え、そのお礼をしても良かったはずだ。 それとも自分が見ていないだけで、投稿で何かしら書いていたのだろうか? またメッセージで自分宛てに送っていたのただろうか? Facebookのメッセージ欄を見る。消えた人のが残るのだろうか?は、ネットで調べるのも正直そこまで気が回らない。 じゃあ帰ったらそうやって自分は調べるのだろうか? いや調べないようにしたい。どんな結果でも傷付くだろうし、そこは時を止めたい。メッセージは印象の形が変わっても記憶の中に閉じ込めておきたい。 それに会ってから明らかに距離感が遠くなったわけではなかった。メッセージや投稿のレスで細かく距離感を見ようとしてももう仕方ないと考えた。 彼女はもういない。 自分がまた性差を乗り越えたいとした時、同じような経験をまたするのだろうか? 彼女を手に入れるにはとにかく行動することと友達は言う。自分は異性の友達が欲しいと言う。 違いは特になくていい。 ただ独占欲はなくていいし相手も自分の事を思って何かしら、重要な所で行動してくれたらそれで良い。 いや、他の人との縁は切っても自分とだけは交流を続けて欲しかった気持ちは、独占欲かもしれない。重要な所で行動してくれたらそれで良いは我儘かもしれない。 魅力的な人ほど誰かがいる。魅力的な人ほどその分悩む事もある。 彼女は多分魅力的な分悩む事もある方で、それでも自分はこうやって考えているんだよと伝えたかった。 友達と言う気持ちで、みんなと同じ様に平等に接したい考えもあった。 こうして消えたけど、それでも何とも思わず冷静に彼女の事を思うのが正解かもしれない。
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