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「好きだよ、すみれ」
甘い言葉とともに、私の体に唇が優しく降りそそぐ。
言葉を返すことはできないから、私はあなたにしがみついて更に深く深くあなたを受け入れる。
「あっ、ああ」
身体の相性に良い、悪いがあるなんて知らなかった。
相性なんていうものは、好きの度合いとイコールだと思っていたの。
あなたに出会うまでは。
ネットで調べてみたって、きっとそれをまだ知らない人が書いているんだろうっていう記事ばっかり。
これは出会わないとわからない。
だって、この感覚は肌が合うとか、しっくり来るとか、そんな言葉じゃ足りないの。
どんな時でも、どんな体位でも、いれた瞬間に恐ろしいほどの快感が襲ってくる。
「本当……相性いいよね」
これを知ってしまったら、もう知らなかったころには戻れない。
「気持ちいい」
もしかしたら、泥沼にはまってしまったのかな。
あなたなら、抜け出せる方法を知っているんでしょう?
あなたなら、この関係を終わりにできるんでしょう?
ねえ、そうでしょ?
「っ、もうっ……」
でも、あなたはこれを終わらせようとなんてしない。
あなたは私をさらに暗く甘美な深みへといざなうだけ。
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