第一章 春は憂鬱の香り

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第一章 春は憂鬱の香り

 友達をつくらなかったんじゃない、できなかっただけ。  私は青い空を仰ぎながら、大きくため息をついた。五月の空は、目をこらせば星が見えるんじゃないかってくらい遠くまで澄み渡っている。お昼休み、自由に出入りできる屋上ではいくつものグループが仲良さそうにお昼ご飯を食べているが、出来上がった輪に入り込む勇気のない私は一人寂しく弁当箱をつついていた。     
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