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「改めまして須藤 励っていいますっ」
「レイさん。どんな字を書くんですか?」
「励む一文字でレイって読みます」
「ふ~ん。いい名前ですね。私は美月。美しい夜空の月」
「うわぁ、キレイな名前ですね。そんな日に生まれたんでしょうね」
「ハハ。本当にそうみたいですよ」
「やっぱり。ハハハ」
「僕、年齢は27歳です。あっちのメイワ技術工業に勤めています」
「あぁ、あの大きい工場だぁ」
「そうです。ハハハ」
「私は少し年下の24歳です。今は働いていません」
「そうなんだ。大学院か何か?」
「いえ、ちょっと事情がありまして。前は働いていたんですけど」
「事情?・・・そうなんだ・・・」
「ランニングでもしていたのですか? その格好からすると」
「まぁ、自転車でね。今日は小春日和で気持ちが良かったんで」
「ですよねぇ。私もそうだったんです。お散歩です」
何このテンポよく弾む会話は! まるで久しぶりに会った同級生みたいじゃないか。これはチャンスだぞ。先延ばしにしないで今でしょ!
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