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黄色い狂気
太陽の下で煌めく金色の髪。額にかかるその髪の下に、同じ色をした妖しく光る瞳が覗く。
「黄麻…」
「そうだよ。僕は、黄麻(おうま) ハルト。君は、青蓮 ルカ君だよね?」
人懐こい笑顔で話してくるハルトに、僕は迷惑だと言わんばかりの大きな溜め息を吐いた。
「なに?用なら早くして」
「え~?冷たいなぁ。僕らは同じ仲間なんだから、仲良くしようよ」
「……」
こいつもリツと同じタイプかと、思いっきり渋い顔をした。ハルトは僕の反応などお構い無しに、ペラペラと話し続ける。
「だってさぁ、去年はどの家の者も、お互い干渉しません、って態度だったじゃん?なのに今年は、いきなり青蓮と赤築が仲良くしてるし、そこに白蘭までちょっかい出してるし?なんか、僕だけ仲間外れみたいじゃん?ねぇねぇ、だから僕も仲間に入れて?」
「勝手に、赤築や白蘭と仲良くしてればいいじゃないか。僕は、誰とも関わらない。あいつらは、僕につきまとって来ただけだ」
僕の言葉に、ハルトは大げさに両手を広げて驚いた顔をした。
「へぇ~?赤築と白蘭は、なんで君につきまとったんだろ?やっぱりあれ?君が、変身出来ない変わり者だから?」
「…あんたがそう思うならそうなんだろ。こんな何も出来ない僕に興味なんて湧かないだろ?もう行っていいかな」
「あっ!待って待ってっ。でもさぁ、君も名門青蓮の者なんだから、きっかけがあればきっと変身出来るよ?」
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