不揃いのヘアピン

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あの子は私のもので、私はあの子のもの。 あの子がいれば彼氏なんていらない。 私たちは、強い絆で結ばれている。 「あれ、またお揃い?光穂と千尋は本当に仲良いね」 クラスメイトのその言葉にすら、私は鼻高々。口煩い担任に注意されない程度の、控えめなヘアピンを指でなぞる。桃色の宝石を模した細工が付いている可愛らしいものだ。私の隣で笑う光穂の艶のある黒髪には、同じ形の黄色のヘアピン。 値が張るもなんかじゃない。高校生が出せる金額の中で、二人で選んだもの。 大切なのは値段じゃない。お金じゃ私たちの価値は決められない。 光穂とお揃いであることに価値があるのだ。
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