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「ふわぁ~…………」  僕は目を覚ましあくびをすると時計の方に顔を向け、時間を確認した。  アナログ時計は不便だ。午前なのか午後なのかがわからない。布団の上で寝ころんだまま、ぼーっと窓越しに空を見る。耳を澄ますと車の走る音や人の話し声らしき音もうっすら聞こえてくる。  そしてそれらの情報を基に、これはたぶん『午後』の五時半くらいだと判断した。  突然トットットットッと階段を上る足音が聞こえてくる。 「洋介ー俺だー入るぞー」  声と同時に僕を呼ぶ声の主が部屋に入ってきた。 「なんだ、もしかして今起きたばかりなのか? いつまでも引きこもってんじゃねーよっと!」  言葉と共にバッと掛け布団を取られた。 「おい、勝手に取るなよ……。でも、いつもわるいねー、優也」 「おう、感謝しろよー。お前のたった一人の友達なんだからな」  僕たちは同じ高校に通っている仲だ。いや、僕の方は『通っていた』だけど。  僕は高校に入学したまでは良かったものの、うまく友達を作ることもできなければ勉強にも中々ついていけず、自分の情けなさに自己嫌悪した結果、不登校になってしまった。そんな中この優也は僕が不登校になってからというものわざわざ平日の授業後うちに来ては、いつでも学校に復帰できるように勉強を教えてくれている。
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