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「……うぅー、寒っ」  家から少し離れた公園で待ち合わせだと言われ来たものの、公園なんて見渡しのいいところどこから誰に見つかるかわかったものじゃないと思い、公衆トイレの裏側付近で隠れながら優也が来るのを待っている。もう冬の終わりごろに差し掛かっているのだが正午前でもそれなりに寒い。  公園の敷地の複数ある出入口、その一つから優也が入ってくるのが見えた。僕を探しているのか周りをきょろきょろしている。公衆トイレの裏側から少し体を出して小さく手を振ると優也が気づいてこちらに近づいてきた。 「なんでこんなところにいるんだよ。見つけられないだろ」 「お前以外に見つかる可能性があるだろ? そもそもなんで公園なんかに集合なのさ。僕ん家じゃダメだったのかよ」 「それはまあ、お前が一人で外を歩く練習だよ」 「…………」 「どうした?」 「そんなお節介はいらないんですけど……」 「わるかったよ。さぁ友達作りの練習を始めようぜ」  昨日インターネットで少しだけ友達の作り方を調べた。『自分から話しかける』だとか『連絡先を交換する』だとか書いてあったが問題はそこじゃない。そもそも僕は人と会話ができないわけでも苦手なわけでもない。ただ仲良くなってくるにつれて怖くなってくるんだ。もしかしたら友達だと思っているのは自分の方だけなんじゃないのかと。 「じゃあ、さっそく相手探しだなーっと」  優也は辺りを見回すといい感じの人を見つけたようで「おっ、あいつにしよう」と公園内のベンチに一人で座っている人を指差した。僕は優也の指差した方を見ると、つい驚いてしまった。
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