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当初は順調だった。
ジャイアントモアや、リョコウバト、タスマニアタイガーが既に復活を果たしている。
ところが絶滅した時代が古く、サンプル数が限られている場合、計画が頓挫してしまうことも多かった。
個体の復活に止まり、生態系に組み込むまでには至らないのだ。
ちょうど、その頃だった。
人類はタイムマシンの開発に成功し、過去に行けるようになった。
古のSF映画のような展開が実際に起きた。
タイムトラベルの原理は良く分からない──というよりは仕組みも製法も極秘扱いで、公開されていない。
確かに、悪用されては一大事だし、極秘なのは致し方ないだろう。
分かっているのは、シャフトと呼ばれる専用の識別札を携えていなくては、現在に戻って来られなくなるということ。
タイムマシンの存在自体も公にはされておらず、ごく限られた一部の者にしか知らされていない。
我々の研究チームに知らされたのが最近なだけで、そもそももっと昔からあったのかもしれない。
可能性だけならいくらでも考えられる。
この世界が全て仮想現実の中のプログラムに過ぎず、タイムトラベルで過去に戻っている訳ではなく、いわゆるシミュレーション世界へ入っているだけの可能性だって十分にあり得る。
タイムマシンは、過去にはどれほど昔であっても行けるという。
また、過去に行った者を現在まで連れ戻すことはできる。
だが──未来には行けない。
これも本当にできないのか、可能だが禁止にしているだけなのかは判らない。
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